会長あいさつ:高橋賢一

昨年度、我がワンダーフォーゲル部はめでたく創立50周年を迎え、昨夏50周年記念事業を関係者の皆様の御配慮を得て、母校で盛大に挙行することができました。この場をお借りいたしまして、今まで私たちを支えて下さった皆様に厚く御礼申し上げますと共に、この偉大なる歴史を作り上げ、継承して下さった諸先輩方に敬意を表するものであります。

 50周年を期に今までOB会(学士山岳会)の中心で活躍されてこられた中瀬会長、今回の記念事業の企画運営に大きくご尽力下さった北川氏、山中氏などの諸先輩方は引退され、私たち第17代幹部とその周辺の代がその重責を引き継ぐこととなりました。

 私たちが都留の学生となったのは、共通一次試験の初年度、それまでの1期、2期の時代から、国公立大学複数受験ができなくなった大きな転換期で、競争率が三十数倍の高倍率で、都留文大の名が全国的に人口に膾炙した記念すべき年でした。その影響もあってか、大学の雰囲気や学生の気質も大きく様変わりし、第一志望で入学してきた学生が殆どいない「敗者の大学」という陰口さえ生まれたほどです。

何のためにこの大学に来たのか、そんな自問自答の中から私たちは山に向かいました。地元の三つ峠の岩山を攀じり、富士急行線と中央線を乗り継いで北アルプスや南アルプス、八ヶ岳へと向かいました。そうして大人になっていったのです。「山」と都留の街の風土が私たちの現在を育んでくれたのです。

 私たちが4年生の時に不幸にも大きな遭難事故が2件立て続けに起こりました。香西由美さん(初教2年)と野口剛君(初教1年)という二人の尊い命が北アに散りました。あの時も太田堯学長を始めとする教職員の皆様、体育会を中心とする学友の皆様に本当にご迷惑をおかけしました。数え切れない有形無形のサポートをいただき本当にありがとうございました。今思い返しても涙が浮かぶほどです。

 だからこそ私たちが次代を担わねばならないのだ、と決意したのです。これが私たちのメッセージです。

記念式典の最初に行われた黙祷は「敗者」から山と都留の街の風土を通じて「生きる力」を得た私たちに失われたものの尊さと喪失感、若さという未熟さと溢れるほどの情熱を思い起こさせてくれました。

登山を通じて河口湖から世界に存在感を発信されている70代のエベレストサミッターの渡辺玉枝先輩の講演は私たちに都留で学んだ者の誇りを思い起こさせて下さいました。

 

 学食をお借りしての懇親会も楽しいものでした。プレハブに土間の学食が超近代的な本部棟に変わったのは、私たちが3年生の時でしたが、まさかそこで杯を酌み交わせるとは。「隔世の感」でした。